| 如月の未だ冷き風の朝「細口や細口や」と売り声明るし/小井 房子 |
| 朝夕に姿映して五十年白き傷浮く鏡台愛ほし/服部あやを |
| 鴨の啄みしあとのピラカンサ紅き実散りて地を覆いたり/伊藤 美子 |
| 戦時中お供への無き雛壇に紙もて母は菱餅作りき/安達 洋子 |
| 惚け封じの寺のお非時の煮大根古希近き身に味はひ深し/中村万里子 |
| ラージヒルに霏霏として雪降りしきり白馬の空翔ぶ世界の若者/山口 幸三 |
| 目の前に赤富士そびえる湖岸の静けき朝に歓声あがる/矢野美千代 |
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